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<<   作成日時 : 2011/10/22 17:48   >>

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山の音 (新潮文庫)
新潮社
川端 康成

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舞台は終戦後間もない鎌倉に住む一家の暮らしを描く。おもいっきり端折って一言でまとめると、子孫に恵まれた定年間近の主人公の過去に愛した人に対する未練が、”解説いわく”筆者独自の表現で書き連ねられている内容。

妻の実姉を愛していた主人公:信吾は、その未練を息子:修一の妻である菊子に重ねる。といってももちろんあからさまに行為に及ぶのではなく、二人のさりげない日常のやりとりだったり、菊子が修一の子を授かったにも関らず堕ろすと決めた時のフォローだったり。そこには単に「息子の嫁」への思いやり以上のものを感じさせる。ちなみに、妻の実姉は早くに亡くなってしまったために、信吾は妻の保子と結婚したのだと推測される。

結局はその”妥協”(こう呼ぶには少々残酷かも知れないが)がその家庭の陰の部分を全て表していると言える。息子の修一は不倫癖が絶えず、自分の妻である菊子と愛人の女をほぼ同時に妊ませてその対処に信吾も(自発的にではあるが)巻きこまれることになる。一連の悲劇を見かねた信吾が修一をたしなめるも本人は逆に信吾の菊子に対する愛情を逆手にとって反論する。

修一のもう一人の子どもである娘の房子は夫と離婚協議中であるが連絡がなかなか取れず、挙句に夫が愛人と心中を測った(夫は死亡して愛人は一命を取り留めた)というニュースが飛び込んでくる。房子も修一と同じく、信吾が菊子にばかり気持ちが入って実の母:保子と自分は対して愛情を注がれてないと、事あるごとに卑屈になっている。

欧米のカルチャーだったらとっくに離婚している主人公夫妻なのだろうけど、そこもまたあからさまには書かれていないだろうが筆者の言いたかった”日本らしさ”なのだろうか、そういった話は文中に一切出てこない。自分の妻を愛せず、ひいてはその子どもである娘も心の底からは愛せず、(記述を読む限り、単なる面喰いなんじゃないかと思うのだが)家族に悪影響が波及するのを複雑ながらも受け止めざるを得ないというのが主人公の本音だろう。タイトルにある「山の音」も、そういった主人公の心情を擬人化したものだと思われる。

ちなみに本書の舞台であった鎌倉エリア一帯は葉山御用邸もあるように神奈川の海沿いエリアの中でも比較的リッチなエリアであるらしい。湘南出身の私としては「本当かよ!?」と思ったのだが、以前にJRのグリーンアテンダントをしていた友人が「横須賀線(江ノ島より東の鎌倉エリアを走る)のお客さんはグリーン料金を請求しても割とすんなり払ってくれるらしいんだけど、東海道線(江ノ島より西側の湘南エリアを走る)だと結構逆ギレされたりしたんだよねー、多分富裕層か庶民の違いじゃない?」と(半ば冗談だろうけど)言っていたのを聞いて、まあ何となく納得?したような。そもそもこういった話の舞台になるかならないかで、まあ何を言わんとしてるのかは、ね 苦笑。

だいぶ最後は話が脱線したけど、今日はこれにて。






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